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このページでは2016年度の受賞・入選作品を掲載しています。
2016テーマ
想像的いきものたち Imaginary Creatures
複製された生命や、知能をそなえたプロダクトたちが、人間社会と共存しはじめています。人類の生活にとってそれらは、どのような本質的変化をもたらすでしょうか。 多様な「いきものたち」による生態系の進化は、どのような世界を創造していくでしょうか。
北九州デジタルクリエーターコンテスト2016は、「想像的いきものたち」をテーマに、飛躍的な想像力でテーマを自由に解釈し、デジタルメディア/デジタルツールを駆使して表現してください。
MONOCafe賞
「HUMANITY EXTENSION」
大西 拓人・冨永 敬・増田 雄太
本作はひとの感じる「人間らしさ」とは何か、を問う空間インスタレーションである。人間型ロボットが人間に近くなっていく過程で生まれる「不気味の谷現象」。 これは、ある程度までは人間に近づけば近づくほど、人がそのロボットに対して抱く好感値が比例的に上がってくるのに対し、ある「人間にきわめて近い」レベルに達すると好感値が一転して下がり、不快感に変わるというものである。なお、この不快感は「人間に全く同じ」に近い状態で人間と見分けがつかなくなるようになると好感に戻ると考えられている。この「不気味の谷現象」は、一定のラインまではロボットという認識をベースに「人間らしさ」をデフォルメされた 記号として人間の脳が認識すものの、「人間にきわめて近い」状態になると記号的抽出をせず、人間としての認識をベースに「非人間的な要素」を抽出して脳が認識してしまうことが原因と考えている。本作の制作にあたり、我々はロボットの目指す「理想的な人間」を目指す過程で省かれる、人間の「クセ」、とくに一般的に悪癖とみなされる要素こそが「人間らしさ」を感じる要素と位置づけた。 今回は「クセ」の中でも、「貧乏ゆすり」を選び、「貧乏ゆすり」のみを行うロボットを制作し、展示する。
北九州賞
「彷徨し、挙句、咆哮するカイジュウ-A」
熊谷 武洋
あらゆるイデオロギーや価値観が混在する現代日本社会において、かつての怪獣たちのように猛威をふるえる怪獣がいるとするならそれはどんな形になるのか、そんな自問自答から、自分なりの現代的な怪獣像である「カイジュウ」をアイロニカルに創案しました。明確な実体を持たないキメラのようなその姿、視点の定まらない滑稽な表情、自衛隊の61式戦車ならぬ旧日本軍の97式戦車に包囲されながら、富士山の山頂で東京タワーならぬ東京スカイツリーをへし折るその姿は、出口の見えない不毛な地を彷徨した挙句、咆哮するしか手立てのない、弱々しく肥大化した現代日本の現身でもあります。
審査員賞

中谷 日出 審査員賞
「Who is the main」
小野 愛佳
主従関係の移り変わりを表現した作品。本作品は過去現在未来の順で時系列になっている。食卓=世界という設定で構成しました。私たち人間は、自らの身体を使って活動してきた 過去から現在は色々なものを従え利用し、生きている。しかしそれはこの先主従関係が逆転し、人間が今従えているものに侵略されてしまう未来がくるかもしれない。

小林 茂 審査員賞
「group_inou/EYE」
橋本 麦/ノガミ カツキ
Googleストリートビュー上の画像を繋ぎあわせ、その上をgroup_inouの2人が駆け抜けるミュージックビデオ。それらの世界中の人々や企業によって撮影されインターネット上に再構築された「視点」の連続をキャプチャして映像化した。本曲が収められたgroup_inouのアルバム「MAP」にちなんだこの作品は、数々のデジタル・ツールを駆使して徹底的に効率化する過程と、1コマずつ緻密につくりこむ過程の両方によって制作されている。3カ月に及ぶ制作期間の中、Googleマップ上で400カ所以上の場所を検索し、約3,700枚に及ぶスチール撮影、データは静止画だけでも1TB以上が費やされた。また、制作方法やそのツールはすべてオープンソース化し公開している。シンプルなアイデアながら、テクノロジーの流行や時代性に依存しない、作者の熱量の感じられる映像作品となっている。ネット上に存在し日々更新されていく都市の画像の中に、生きる自分たちを住まわせました。

山田 圭子 審査員賞
「IMAGINE」
藤木 佑里恵
ここは不思議な森、少女の想像が卵となって不思議な生物を次々と産み出します。仲間たちは誕生の瞬間をそっと見守っています。鉛筆など用いてデジタルとアナログの融合を目指しました。
ライオンズクラブ賞(ジュニア賞)
入選作品(一般)
入選作品(ジュニア)
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