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このページでは2018年度の受賞・入選作品を掲載しています。

2018テーマ

自由と平和と愛 Freedom, Peace and Love

複雑化する高度なネットワーク・システムとして、再構成されてゆく現代社会。
多様な価値観をもつ様々な主体のコミュニケーションによって、メディアが埋め尽くされる事態に、日々直面します。
その持続する緊張の中で、わたしたちの言葉・思考・身体は、即時の判断を迫られ続けます。個人・社会・宇宙。
情報洪水の激流によって価値が見失われる時代に、シンプルなことばの意味を、いまふたたび、見つめ直してみましょう。

KDCC北九州デジタルクリエーターコンテスト2018は、「自由と平和と愛」をテーマに飛躍的な想像力で、テーマを自由に解釈して、デジタルメディア/デジタルツールを駆使して表現してください。

大賞

「怪獣神話」谷 耀介

かつて偉大な戦いで敗れた怪獣が死に際に思い起こす。メタ世界や時間、パラレルワールドを超えて対峙した2体の怪獣。あらゆる生命は歓喜の声を以ってその勝負をたたえた。

奨励賞

「大霊廟II」

安野 太郎

人力足踏みふいご装置と幅2m奥行2m高さ4mの風箱装置を備 えた、14台の自動演奏機械、4人のパフォーマーの為の音楽作 品。作品はコンサート形式で発表される。 このパフォーマンスで表現される機械が演奏する為に人間が働 いている姿は、テクノロジーに依存した社会システムを生み出 した人類が、いつしかそのシステムを維持する為に活動してい るというこの世とシンクロする。『大霊廟』は音楽を通して、 我々の欲望のあり方を問いかける。(初演: 2017年9月1日 横浜 BankART NYK Kawamata hall )

北九州賞

「AYAKASHI WORLD」「YOUKAI WORLD」「妖怪ワールド」

ミず鬼ずム

人間は昔から、目に見えないもの、非現実的なものに恐怖を感じてきた。その恐怖する心が、神秘的な力をもった存在や超越的存在を生み出してきた。そして時にそれらを「神様」として祀り、ある時は「妖怪」として忌み嫌ってきた。日本はいつしか豊かになり、電気が普及して日本国中が明るくなり過ぎたのに加え、世の中自体が百鬼夜行の様相になったのにおびえ、本物の妖怪たちが姿を消しつつある。彼らがのびのび暮らす場所はもうないのであろうか。だが妖怪感度を働かせば、いたるところに妖怪がいることに気づく。そう、大昔と変わらず人間の心の中に潜んでいるのだ。人間の心が醜ければ妖怪の形も醜くなり、人間が愛や自由や平和を求めれば妖怪たちも素直に力を貸してくれる。座敷童子や招き猫が良い例である。私は今回の作品を「AYAKASHI WORLD」と名づけ、様々な妖怪達を登場させている。愉快な気持ちで描いた、ちょっぴり不気味でひょうきんな妖怪達を優しく受け入れてもらえたらこの上ない喜びである。

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妖怪とは何か?それは、人間の愚かさを受け入れつつ人間を愛するための昔人の知恵ではないだろうか?色々な妖怪の絵を思い出してほしい。誠に恐ろしく、醜く、愚かである。同時に…とても活キ活キしており、神仏とは違うエネルギーに満ちている。正しくない混沌部分、それも、人間の一面に違いない。それを、易しく受け入れるための知恵、つまり擬人化が妖怪であると私は考える。人間は、時に醜く争ってきた生き物であるが、時に愛や自由や平和を求めて戦ってきた種族でもある。そして沢山の絵巻に残されているように、いつも傍らには妖怪達の存在があった。人間の歴史とともに進化し続ける妖怪達。妖(あやかし)の世界をこれからも表現していきたい。

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当作品には、座敷童子、牛頭・馬頭、あまびえ(上段)、二本足、呼子、亀城(下段)を登場させている。「愛は藍より出でて藍より青し 怪異は闇より出でて闇より黒し」妖怪は伝言ゲームである。闇への小さなきっかけ、嘘っぱち、怖れ、好奇心…それが、雪だるま式に膨れ上がり一人が言えば嘘、十人が言えば幻、百人が言えば噂、千人が言えば真実。そうして産まれたものが妖怪である。私は人間の闇が創造した妖怪を愛を持ってさらに黒く追究しさらなる洗練された想像と創造を目的として活動している。昨今、認められたオタク文化のように「愛」より産み出された文化は「自由」な想像力を産み創造力の交流が理解を産み、「平和」が理解によって産まれる。私の小さな妖怪活動が広い交流を産み出すことを祈っている。

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審査員賞

中谷 日出 審査員賞

「TRUSTLESS LIFE」

加藤 明洋

「TRUSTLESS LIFE」は、ブロックチェーンによって「信用」が管理される社会を体験できるボードゲーム。ブロックチェーン技術が社会に適用されれば、人々が互いに互いを評価することで生まれる信用を証明できる社会が実現される可能性がある。信用社会では、初対面の人と商取引をする場合でも、その人が間違いなく取引を行ってくれるのかなど、具体的な判断基準を持つことができ、取引の安全性などを保証する第三者機関に頼る必要がなくなる。しかしながら、こういったこれまでに体験したことのない世界を想像することは難しい。このよう想像が難しい世界観をこのゲームで体験することによって、プレイヤーはブロックチェーン技術の適用された、現在の社会に対して別の選択肢になり得る社会を想像できるようになる。

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小林 茂 審査員賞

「群生地放送」

藤倉 麻子

インスタレーション。高速道路と付属する設備の描写である複数の映像をモニター、プロジェクター、布という3通りの方法で空間に出現させます。イメージの中で工業製品は非機能的な自律運動を始めています。近代都市の中に眠る呪術性を呼び起こすことをテーマに制作しています。非理性的な物を議論の蚊帳の外におくことによって生み出された亡霊と、合理主義の産物でありながら人の手を離れ自動作動していく亡霊というふたつの霊を仮定しています。作者の制御を超える可能性のある3DCGソフトウェアによって、都市の設計者である人間の姿が不可視であるイメージを生成します。これらのイメージは、人間が決定し限定する想像力から自由であるとともに、人間の理想都市建設のゆくえを描くことができると考えています。

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宝珠山 徹 審査員賞

「New World」

久保 雄基

新聞という、世界を文字や写真で的確に情報化し大衆を操る強力なメディアを破壊し、それを使って新しく世界を構築していく映像です。映像の中の全ての要素やタイポグラフィは実際の新聞紙を超高解像スキャンした物から構成されています。この映像の面白い所の一つはよく見ると制作時期のニュースや、新聞の広告等がチラホラと垣間見えるところです。大量の情報が詰め込まれている新聞の雑多な感じは、現実世界の街の風景と似ています。私は世界に対する破壊衝動が尽きないので、新聞というメディアを切ったり破いたりして好き放題に再構成できたのは少し高揚感を覚えました。

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ジュニア賞

「まお」

田村 翠

この作品は実際にあった話を元に作った物語です。家で飼っている猫のまおを中心に話を構成しました。まおが拾われる前、拾われた時、来た時、どんな感情、体験があったのか想像と実体験を織り交ぜて物語を作りました。色々なものを見て気に入った色合いなどを参考にしてカラーリングを行いました。

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「平和と愛につつまれた街」

伊藤 成生

平和と愛につつまれた街で自由に生きる人を表現しました。

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「やさしい手に包まれて」

隈本 和睦

やさしい手に包まれて生まれる平和や愛、自由を表現しました。

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入選作品

動画部門

「Eve - お気に召すまま」

Waboku

動画部門

「つくしのムック」

新映像文化研究会 ShinE

動画部門

「不溶の銀」

吉武 薫

動画部門

「alive」

広森 万陽

静止画部門

「AI(人工知能)は「ピノキオの鼻」を得て、自由と愛と平和を手に入れる。そして、…。」

川平 勝也

静止画部門

「PEACE」

服部 高明

静止画部門

「金魚の恋」

take

静止画部門

「The Shapes of Love」

陳 品丞

静止画部門

「来迎-Neo Bodhisattva-」

柏村 早織里

静止画部門

「Dakini-Neo Bodhisattva-」

柏村 早織里

静止画部門

「The future inherited」

増本大二郎

静止画部門

「シンフォニー 」

McKee

ガジェット部門

「Heart of Mollusca」

今岡 宏朗

ガジェット部門

「CLOCK LIGHT」

白井 大地

インスタレーション部門

「Apart and / or Together」山田 哲平

インスタレーション部門

「そこに西瓜はあるのかい」

冨永敬と増田雄太と大西拓人

インスタレーション部門

「コマあにめ」

る株式会社 × 光響

インスタレーション部門

「node hands」

綿貫 岳海

インスタレーション部門

「8時集合で」

早川 翔人

インスタレーション部門

「グリーンパーク内アトラクションマッピング くるくるスプラッシュ」

モータードライブ

パフォーミング・アート部門

「鹿の聲」

長谷部 勇人

パフォーミング・アート部門

「Airy Colors」

Anderson Sudario

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